古典の日朗読コンテスト(2023年)大賞受賞

朗読イベント

2023年に行われた古典の日朗読コンテスト。

朗読アカデミー四季の森の朗読教室受講者駒木玲子さんが本選に出場され「大賞」を受賞されました!

当日の様子や音声をこちらから見る事ができます。

古典の日朗読コンテスト

駒木さんは長年熱心に朗読を勉強されてきました。
朗読は1日にしてならず、ですね。

受賞者駒木さんのコメントです。

「13回生の卒業」駒木玲子

高校の古典はあまり得意ではありませんでしたが、古文の持つ響きの美しさは何となく好きでした。それで、このコンテストには2011年から毎年応募しています。
春には図書館で課題の古典の本を借り、夏にはその朗読を録音して応募するという「年中行事」を繰り返し・・今年で何と13回目です。
昔からボツボツと続けてきた朗読ですが、歳を重ねるにつれ、体力不足や滑舌の衰えが気になり始めました。最終審査会出場の知らせを受けて喜んだのも束の間、「本当にちゃんと読めるのだろうか」と、とても不安になります。あわて者の私は、一昨年の最終審査会では原稿をトチって読んでしまったことも・・ありました、ありました!
うじゃうじゃと悩んだ末に、「結果は別にして、でき得る限りの私の力で臨めば悔いはないはず」と思い至りました。

選んだ作品は更級日記です。作者の少女時代のひたむきな心を、聴いている人に、明るい雰囲気で届けられるように語っていこうと考えました。あ、それに、少しみやびな雰囲気も出して・・。

さて、最終審査会の当日、舞台に上がって読み始めましたが、トチらないように、声がひっくり返らないように、と考えるとあまり思い切っては読めません。声もうわついて少し高くなっているようにも思えます。
そのうち、招待者席のあたりに、髪の薄い夫の頭がちょっと光っているのが見えました。何だかそれがおかしくて、心の中でくすっと笑ってしまうと同時に、味方を得たような気がして、気持ちが楽になりました。
ともかくも、トチることなく、あわてることなく、最後まで読み切ることができました。
そして、考えてもみなかった大賞をいただくことができました。
とっても嬉しい反面、大賞受賞者は来年からはこのコンテストに応募できなくなりますから、私の「年中行事」が一つ減って少し寂しい気もします。
「朗読の神様」は、13年間応募し続けた「13回生」の私が、コンテストを卒業できるように、力を貸して下さったようにも思われます。

会場の金剛能楽堂を出ると、晩秋の時雨も上がり、朗読の恩師や友人たちが笑顔で私を出迎えてくれました。
やっぱり「卒業」ではありません。これから歳を重ねてもまだまだ朗読の世界を探求し、多くの友人たちとともにそれを楽しんで行きたい・・。
朗読の神様は、また別な形で課題を下さったのかもしれません。


(左側:四季の森主宰高橋講師・右側:四季の森佐藤朗読教室佐藤講師)